あんじょーら

殺人狂時代のあんじょーらのネタバレレビュー・内容・結末

殺人狂時代(1967年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

なんとなく気になっていたタイトルですし、岡本 喜八監督作品ですし、しかも仲代 達也さんが主演、面白いに違いないと思ってみたのですが予想以上に面白かったです!


精神病院のような場所にドイツ語を喋るブルッケンマイヤーと名乗る男が現れ、所長である溝呂木(天本 英世)にとある仕事を持ちかけます。溝呂木は秘密結社を組織していて・・・というのが冒頭です。


いや~溝呂木役の天本英世さんの死神博士(あの、仮面ライダーの、です!)っぷりがすさまじいです。そうですか、元ネタはこの映画なのかも。ドイツ語(そういえば大学時代に第2外国語としてドイツ語習いましたが、全然覚えてない、けど、この発音はドイツ語だ!と感じさせますし、喋れるなんて凄いです)を喋るだけでなく、セリフ回し面白く、とある決闘方法を用いてくるなど、天本さんの映画と言えます。強引に言えば宮崎駿作品に出てくる悪役っぽいキャラクターです。


もちろんこの悪役に負けないキャラクターなのが主人公である桔梗を演じる仲代 達也さんです。この方の演技は黒沢作品等で見た事があって好きになりましたが、今作もオリジナリティ溢れる難しい役を見事に演じきってくれています。とぼけたマザコンで大学講師である桔梗の取る行動のズレ、それでいて理屈は合っていたり、偶然が偶然を呼ぶかのうようなミラクルを起こしつつ、常に水虫に困っていたりと、かなり特異なキャラクターなんですが、仲代さんが演じるととてもリアルに見えます。


脇のキャラクターも非常に濃い人間が多く、ウルトラ警備隊のイデ隊員役の方も出演されてますし、ヒロインの団令子さん(この方の撮られ方、その構図もまたとても絶妙でカメラも素晴らしい!)も魅力的ですし、主人公と行動を共にする子分になる3枚目キャラクターを演じる砂塚 秀夫さんのとぼけた感じもたまりません。


古びないと言いますか、現代に撮りました、と言われても納得してしまうくらいの映画内リアリティ、世界観があり、その納得させるチカラが大きく、本当に面白かったです。


で、大変面白く観たのですが、原作が都筑 道夫と出てすべてに納得。そうか、うん。都筑さんなら間違いないですし、都筑さんが原作の映画初めて見ました。ウィキ情報ですが、都筑さん原作、岡本さん監督作がもう一つあって、これはどうしても見たいと思ってます。


宮崎 駿ルパンが好きな方、都筑さんの小説が好きな方にオススメ致します。



アテンション・プリーズ!

最期に1個だけネタバレを含めた話しで、

















この話しの構図が物凄く、宮崎 駿さんのルパンシリーズの最終回「さらば愛しきルパンよ」な感じがしてなりません。最期の実は・・・の展開が本当にそっくり。