「人口調節審議会」と名乗る組織によって無作為に選ばれ、次々と送り込まれる刺客と戦うハメになってしまう大学教授のお話。
オイオイ大丈夫か!と言いたくなってしまうようなキワドイ描写が最早清々しい。刺客達は精神病院の患者達を洗脳しているという設定だし、組織に仕事を依頼する男はナチに関わっていた男らしい。このどう考えてもヤバイ臭いしかしない奴らに狙われる男が主人公なんだけど、これがとても良いキャラ。常に「はぁ〜?」みたいなスッとぼけた反応で、水虫の足を掻きまくるし、マザコンの気すらあるという、ある種狙う側とは別のヤバイ臭いを醸し出している。こいつが偶然の重なりで刺客を撃退してしまうという前半はかなり面白い。
ところがこの映画、だんだん雰囲気が変わってきて、詳しくは書かないけどまさに『007』シリーズのような感じになってくる。それはそれで良いんだけど、前半のすっとぼけた感じがよかったのでここはちょっと残念だったかも。
白黒ではあるものの、火薬はバンバン使ってるし、病院やバーのモダンなデザインなどもあって視覚的には退屈しない良作だった。
(2015.97)