イチロヲ

ネメシス/S.T.Xのイチロヲのレビュー・感想・評価

ネメシス/S.T.X(2002年製作の映画)
3.5
ロミュラン帝国との和平交渉の任務を受けたピカード艦長が、自身のクローンである反乱分子シンゾン(トム・ハーディ)と遭遇する。劇場版「スタートレック」の第10作目(新スタートレック第4作目)。「新スタートレック」のメンバーでは最終作となる。

生まれながらの不遇により奴隷生活を強いられ、過激派となったシンゾンが重要人物として登場。どこの種族にも帰属できない、自己喪失状態に置かれており、クローンであるピカード艦長に復讐心を向けていく(ついでに骨髄を奪って完全体になろうとする)。

筆者自身が悪役を応援してしまうタチであるため、それ故に「細かなノイズが気になってしまう」という状態に陥る。シンゾンの内面的描写があまりにも薄く、まるでマンガに感化された男子中学生にしか見えないという難点も見受けられる。

その一方、アンドロイドを中心にしたドラマがポジティブに働いており、ヒューマニズムを受け容れようとするデータと、受け容れようとしないシンゾンの対比が訴求力を生み出している。「アンドロイドの物語」を楽しむ分には、これでオッケー。
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