ペイン

告白的女優論のペインのレビュー・感想・評価

告白的女優論(1971年製作の映画)
4.5
“THE 女優映画”。

ジョン・カサヴェテス監督にとってのジーナ・ローランズの如く、吉田作品のミューズとして光輝く岡田茉莉子だが、本作は浅丘ルリ子もかなりすごい!

ベルイマン『仮面ペルソナ』よろしく、三人の女(女優)の外的側面と内的側面に迫る。

映画を通して女優を解体し、映画と女優の不可分な関係を暴く。このお三方の女優のキャリアともどこかリンクするような作り。

圧倒的な色彩感覚と歪な構図のつるべ打ち、流れるようなセリフ回しとカメラワークにグイグイ引き込まれる。

終盤の女優3人へのインタビューシーンも名セリフ連発、女優の顔にズームしていく際のカメラもヤバい!そして戦隊ものの如く女優3人横並びで迫ってくる圧巻のラストに思わずヒャッハー!と心の中で叫んでしまった。




P.S.
※以下印象に残ったセリフまとめ。

「君が本当に女優ならば死ぬことはできない。死ぬことすら君にとっては演技なのだから。」

「あなたが私を抱けなかったのは、あなだが私でない別のものを夢見たからなんだわ。」

「Q.あなたにとって映画とは何ですか?A.私は映画の中に生きている人間です。客観的には答えられないわ。」

「Q.あなたはどんな役を演じてみたいですか?A.失恋する女。Q.嫌いな役は?A.幸せな女。だってそれは喜劇的でしょ。」

「Q.あなたにとって人生とは何ですか?A.愛しいものを一つ一つ失っていくことね。」

「Q.あなたの好きな言葉を教えてください。A.NO!どんなときでもNO!と言える勇気を持つこと。」

「Q.あなたは人を憎んだことがありますか?A.あります。私自身に。私自身のコンプレックスに。」
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