10000lyfh

鏡の10000lyfhのレビュー・感想・評価

(1974年製作の映画)
5.0
第二次大戦前にシングルマザーに育てられ、戦後、母と似た容貌の女性(演者は同じ俳優)と結婚し離婚し、自身の投影のような息子(演者は少年時代の語り手と同じ俳優)を持ち、罹患し母(演者はタルコフスキーの母)に看取られる男性(成人後は稀な一瞬以外、顔は映らず、一人称的カメラワーク)が語る、自分自身の人生、夢や記憶の風景、母や妻から感じる女性性、ロシアや世界の 20世紀前半史、それらの時系列錯綜イメージ構成。火(雨の中を含む)、鏡、風、淀んだ水が、象徴的に執拗に現れ、また、モノクロ・カラー混在(先駆者?)も印象を深める。劇伴はバッハ中心にオルガンや宗教系声楽曲、普通だが作風に合っている。監督キャリア的には中盤ながら、集大成的な入魂作品。リンチやカウフマン(人物名の揺れ)も本作から強く影響を受けていそう。ラスト、幼少期の家の周辺の林で、幼少期の自分と妹が、現在の老いた母に手をひかれ、当時の若い母が見守るのを、カメラが林の中へ引きながら捉える、長いカットが神
10000lyfh

10000lyfh