夕

鏡の夕のネタバレレビュー・内容・結末

(1974年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

バリムズ映画…あんまよく飲み込めへんかったけどラストシーンでおばあちゃんと孫が(もうもはやこれらが誰のことなのかもよくわからなかった)、草原を歩いていく一方で、カメラは彼らの背を映しながら暗い森の木立へと潜り込んでいく描写に結構グッときてしまった
序盤の男が去っていきかけたタイミングの草原のたなびきから始まり、自然をとらえた描写がほんまに美しい…モノクロになっても光が綺麗なのがすごい
終盤に出てきたローラって名付けられる予定やった男の子の赤ん坊ちょっとあまりにも可愛すぎないか
終わってみて、あの印刷所のシーンがなんか浮いてる気がして気になった
(おそらく語り手の)吃音治療から始まり、そこから自我がフィルタリングされた主観的な過去を時系列を組み替えながら巡っていく、その中で炎や雨、土、草花など自然あるいは世界のモチーフが印象的に頻出する
中盤で語られる「肉体は魂の独房である」という旨の話のおかげで、なんとなく物語の目指すところというのも見えてくる気がする
多分その己の魂を見つめるために語り手は″鏡″を見る必要があった、結果的にそのために媒介されたのが″母″や戦争だったてことなのか
主人公(たぶん吃音治療してた人)、母の夫(つまりお父さん)にもなってなかった?
主人公が少年のとき、母を見送ってからいるはずのない女にノートを読み上げさせられてたけど、あの黒髪の女は現在(吃音治療の時間軸)における妻?あのシーン、「うそだ!」で戻ってくるのがなんかわかりやすくてありがたかった
夕