樽ベーラ

鏡の樽ベーラのレビュー・感想・評価

(1974年製作の映画)
5.0
タルコフスキーが生み出した大傑作であり、映画の完成系。
この映画の全てを愛してる。
もはや芸術映画の領域じゃない...その先の「何か」に到達してると思う。
タルコフスキーと言えば「火」と「水」を撮るのが得意だけど、鏡はそれに加え「草原」と「風」の描写がとても印象的で、衝撃的だった。
特に冒頭の風になびかれる草原のシーンと、小雨が降っている中で干し草置き場の小屋が燃えているシーンは、映画史の中で最も美しいと言っても過言ではほどの圧倒的な美しさです。流石は「映像の詩人」と呼ばれるだけの技術力だなと、改めて痛感します。
ただ、やはり内容は他のタルコフスキー作品と比べてもかなり難解な方だと感じます。今まで3回ほど見返しましたが、未だ理解できていない部分が多いです...
それでも圧倒的な「映像美」と、タルコフスキーらしい独特の「演出」で我々観客を包み込み、魅了してくれる。そんな映画です。
本当にタルコフスキー監督と、鏡に出逢えてよかった。
樽ベーラ

樽ベーラ