フライ

居酒屋兆治のフライのレビュー・感想・評価

居酒屋兆治(1983年製作の映画)
3.7
居酒屋兆治で働く英治を高倉健が演じ、別れた恋人とのかなり重い内容で綴るストーリーは、降旗康男監督が人の醜さや未練などを生々しく見せる内容で胸に響くものがあった。
高倉健をはじめ、いつものメンバーや細野晴臣、伊丹十三など凄いキャスト陣の居酒屋兆治での色々なやり取りはとても面白かった。終始ギスギスした雰囲気の中、英治の妻役、加藤登紀子の優しい雰囲気がとても良かったし、ラストは見ていて救われた気がした。だがなんと言っても本作のキーパーソン英治の昔の恋人さよを大原麗子の透明感のある美しさと闇を抱えた雰囲気と演技は本当に素晴らしかった。高倉健の実直さと大原麗子の可憐さを、周りの人物の色々な意味での毒のある演技が盛り上げていてとても楽しめた。
英治と言う男が過去を引きづりながらも自分の周りや過去に関わった人迄大切にし、曲がった事は許せない生き方は観ていて辛くなる事もあるが、素敵に感じた。
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