けーはち

少林寺のけーはちのレビュー・感想・評価

少林寺(1982年製作の映画)
3.7
北京武術大会5連覇の天才少年リー・リンチェイことジェット・リーの初出演にして初主演カンフーアクション映画。中国・香港が初の共同制作に取り組んだ映画で、現在の本物の少林寺を堂々と映像に収めている。唐の太宗・李世民を匿って暴政の隋を倒す史実を下地に、少林寺の僧侶を主人公にした親の復讐劇を描く話自体は型通りだが、本物の武術家が全編スタントなしで歴史大河ドラマの一部を描くような相当に力の入った逸品に。構成も一風変わっていて「♫シャ~オリン シャオリン~」と合唱のテーマ曲が朗らかに、少林寺の歴史や現在の映像、日本に派生した少林寺拳法を紹介する教育番組のごときオープニングに続く本編は、惨殺死体のハラワタがボロン、流血がブッチャー、そして楽しくも激しいアクションがモリモリ続く。種々の武器術をふんだんに用いる殺陣の技量や身体能力の高さはもちろん素晴らしいが約束組手っぽいのがあからさまな殺陣は目立つかも。とはいえ本当に「少林寺」の名を冠するにふさわしい定番のカンフー映画の一本だ。

ところで、犬を殺して焼いて食うシーンが主人公と師父や兄弟子たちの秘密を共有し絆を深めるほのぼのシーンとして描かれる。現代の動物愛護の感覚はいったんオフにして見てほしい。