TAK44マグナム

ザ・インターネットのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・インターネット(1995年製作の映画)
3.6
PC使えば何でもござれ!


新作「オーシャンズ8」も好評なサンドラ・ブロック主演のサスペンススリラー。
「デモリションマン」の頃はスタローン兄貴にキャッキャ言ってたサンドラ姐さんも、息の長い主演級女優となりましたね。


アンジェラはソフトのデバッグを職とする在宅ワーカー。
そんな彼女に送られてきたフロッピーディスクには、ある陰謀に関する秘密が隠されていた。
ディスクを取り返し、アンジェラを抹殺しようとする謎の組織。
コンピューターネットワークに細工をされ、前科者である別人に個人データを書き換えられてしまったアンジェラは、昔の恋人であり、唯一自分がアンジェラだと証言できるアランに助けを求めるが・・・


なにしろ95年公開の映画なのでハイテクスリラーと銘打っていても、現在の目でみるとどうしてと古臭く感じてしまうのは致し方ないところでしょう。
まだまだPCも携帯電話も一般に普及し始めた頃なわけで、劇中でもネットを介して宅配ピザを注文できたり、旅行のチケットを手配する場面を「どうです?いまやこんな事までパソコンひとつで出来るんですよ!すごいでしょ?」と、ドヤ顔風にみせてくれます。
インターネットという言葉も新しく、今なら原題の「ザ・ネット」で意味は通じるでしょうが、当時はネットだと網という意味にとられてしまうという懸念から邦題を変更したそうです。
網でも、アンジェラが網に絡め取られて段々と身動きがとれなくなってゆくという意味もかけるなら別段おかしいとも思えないのですが、それはどうでも良いか。

正直な話、PCやネットは物語を彩るガジェットにしか過ぎず、中身は大昔からある追いかけっこサスペンスなので、サンドラ・ブロックがせっかくタイピングやらマウスの操作を練習したとしても、それはさほど重要ではないような気がします。
完璧に追い詰められた主人公にドキドキし、どうやって逆転するのかにワクワクする。
その一点に尽きる映画です。
ただ、その逆転劇も意外とアッサリ。
敵が割と規模が矮小なのもあって(でも黒幕はビル・ゲイツそっくり)、機転がきいてタフな女性であるアンジェラの方が一歩先をいっている事のほうが多く、安心して観られるかわりにそこまでハラハラせずに終わってしまったかな?といった印象をうけました。

アンジェラが顔を合わせて人付き合いをしないたちなのを利用してネットワーク上のデータ改ざんで別人にされてしまう展開も、例えば認知症の母親が入所している施設の関係者や、序盤で登場した宅配の兄ちゃんならアンジェラの顔を覚えているんじゃないでしょうかね?
まぁ、映画というのはいかにしてウソをつくかもあるので、そこまで細かく気にしていてもはじまらないのですが・・・


若かりしサンドラ・ブロックのビキニ姿や、へそ出しルックでの全力疾走が何よりも記憶に残る、いかにも90年代ライクな一作。
彼女目当てなら途端に魅力を増す映画なので、最近ファンになったような方にこそオススメだと思います。


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