Jaya

アギーレ/神の怒りのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

エル・ドラド探索のピサロ一行のうちアギーレが先遣隊としてアマゾンを下る途上で反乱を起こし全滅するお話。最後の台詞は今となっては複雑な気持ちに。

アギーレことクラウス・キンスキーの尋常でない演技が全てを飲み込むよう。ドイツ語がしっくりこない内容ですが、彼がスペイン語喋れないなら仕方がないと思えるくらい。一挙手一投足に醸し出される空気が凄まじい。彼が画面に居るか居ないかで迫力がまるで違う。

狂気に染まるというより、最初から明らかに狂気を醸し出すアギーレ。激流の上流から下流に向かうに連れて静謐さも増します。声のない先住民、音もなく飛んでくる矢の寓話性が素晴らしい。高木に引っ掛かる帆船の美しさも象徴的。楽器の控え目な音色も途轍もなく美しい。

最後に一人となったその時に初めてその野心を呟き叫き表明する映像の美しさ。唯一、アフレコがあんまりハマってないように思えたのが残念でした。やっぱり同録は難しかったのかなあ。

アギーレの捉えようのない狂気が完璧なまでに体現されていて、その迫力と美しさに圧倒された傑作でした。
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