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けものの眠りのkojikojiのレビュー・感想・評価

けものの眠り(1960年製作の映画)
3.8
鈴木清順監督、長門裕之主演、1960年の作品。「密航0ライン」とまったく同じ。しかも長門裕之は新聞記者役。
内容も新興宗教が絡んでいたり、ちょっとタイムリー。
ストーリー的にはこの作品の方が好きかな。

清順監督らしくスピーディーな展開だが、
それほどまだ清順監督色は強くない、比較的正当ななサスペンス映画。
回想シーンの見せ方は斬新だった。

この作品は芦田伸介が素晴らしい。

真面目に定年まで働き務めた会社からある意味裏切りられ、悪事から抜け出せなくなる男を好演。

芦田伸介の娘である吉行和子の相談から、真相を追うことになった長門裕之。新興宗教と資金源となる麻薬を密輸する貿易会社、そしてそれに関わる芦田伸介の関係を掴む。

それを知り悪事から足を洗うよう自首をすすめる娘の吉行和子、夫の悪事を知っても知らず顔の山岡久乃…

ラスト愛する家族のために自らケリをつける芦田伸介の姿は胸に迫る。
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