もるもる学園

けものの眠りのもるもる学園のレビュー・感想・評価

けものの眠り(1960年製作の映画)
5.0
清順的フィルムノワールであり、個人的には清順のベストであると断言していいだろう。

信仰宗教の闇と善人の中にねむる狂気的な悪という獣を見事に描ききっている。突き抜けてなにか凄いシーンあるわけではない。しかし、この単調なカットのリズムの中に仕込まれた謎が謎を呼ぶ不可思議なプロットが見るものをひきつけるのだ。
清順的なコメディも要所要所にあり、飽きない。オモロい。
調査をするうちに逃れられない迷宮のような仕組まれた闇の中で彷徨う新聞記者の主人公の動揺も必見である。

清順…それは、恐ろしい。