グラビティボルト

デンジャーヒート 地獄の最前線のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

4.0
胸踊る傑作!やっぱり天才の映画は良い。
戦場カメラマンを主役にしたドキュメンタリックな粗筋でありながら、
「カメラマンは撮影をする生き物であり、それ以外のアクションをしない」という映画の職業論理が一貫している。
後、シャッター音の扱いが巧い。
まずは村人の銃殺シーンを撮影する場面でシャッターと銃声を連動させ、「傍観者」たるカメラマンを当事者に引き込んでいく。
思わず主人公は悲鳴を上げてしまうんだけど、あくまでその感情には寄らずに悲鳴〜見付かる〜アクションで繋ぐ。
ここで作り手の発想が留まらずに「シャッターと銃声の関係」を執拗に撮ろうとする部分に驚いた。
ゲリラと主人公一派がフィルムを巡って落ち合う映画館でノワール映画の銃撃が上映されるんだけど、ここで乗り込んだ警官隊と銃撃戦になった時にスクリーンの此方と彼方で銃声が連動し虚実の音が混乱する