噛む力がまるでない

スケバン刑事の噛む力がまるでないのレビュー・感想・評価

スケバン刑事(1987年製作の映画)
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 東映のテレビドラマシリーズ『スケバン刑事』第2作の劇場用作品である。

 元のテレビドラマは小さい頃に見ており、細かいことはわからなかったが、麻宮サキがヨーヨーをさばく音がカッコよかったことはよく覚えている。改めて見てみると話はもうメチャクチャでツッコミどころは満載だが、なかなかダイナミックで面白かった。

 見所のひとつは2代目麻宮サキ(南野陽子)と3代目麻宮サキ(浅香唯)が共演するところだ。この映画で3代目サキはサイドキックみたいなもので、2代目サキが主役かつメンターっぽくなっている。採石場で敵のヘリコプターと戦うシーンでは、シリーズを通して成長した2代目サキとまだ未熟で無鉄砲な3代目サキの戦いぶりに大きな違いがあり、この場面はファンには面白いところだったのではないかと思う。2代目サキの背中を見て3代目サキは強くなっていくんだ……というような気分になったに違いない(?)。

 全体的にアホみたいな内容だが、南野陽子をはじめとして、演技の感じがみんな良く、伊武雅刀の敵役も変態的で迫力がある(サイボーグのデザインは出渕裕が担当しているが、『ターミネーター』の影響が強そうである)。ほかにも超密度合金製ヨーヨーがとんでもないパワーだったり、じゃんじゃんいろんなものが爆破されたり、もりだくさんな娯楽映画だ。