まごー

若草の頃のまごーのレビュー・感想・評価

若草の頃(1944年製作の映画)
4.6
1903年、きたるセントルイス万博に浮き足立つとある中流家庭のドタバタを描いたアメリカ版「三丁目の夕日」ともいえるミュージカル映画。

万博のテーマソングであり、表題曲でもある「セントルイスで会いましょう」が効果的に使われる。この圧倒的ノスタルジーがたまらない。

セントルイス万博を間近に控えたとある家庭。
遠距離恋愛中の姉の”プロポーズ騒動”からはじまり、
主演ジュディ・ガーランドの隣人へのささやかなラブも描かれる。
前半の最後は、セントルイス万博のプレ公開に向かうシーンで終わる。
後半は、ちょっとゾッとする妹たちのハロウィンでの悪戯騒動があり、
父の”ニューヨークに転勤する気まんまん事件”が発生する。

ずっとこののどかなまちでのどかに幸せを謳歌するつもりだった家庭に、
ニューヨーク転勤はショックなニュースだった。
いつまでも幸せな家族が続きますように……。
この願いはついに父の胸にも届き……。


言わずと知れたスタンダードナンバーである”Trolley song”のシーンの演出と、ジュディと男が徐々に部屋での照明を消していくシーンの音楽の使い方が本当に素晴らしい。これぞミュージカル映画だ。
ヴィンセント・ミネリさんさすがすぎます。

日本でくだらないミュージカル風映画を作るクソコメディ監督はこれ見ましたか?
これがミュージカル映画ですよ。
頼みますよ。ほんまに。

どこまでものどかで、いつまでも同じ時間が続いていくような安心感にあふれた映画。
この作品が、大戦が長引き父親や兄がいつ灰になって戻ってきてもおかしくないという状況が続いていた当時の国民に爆発的にウケたのは想像にたやすい。
というか、この作品、現実逃避力がすんごい強くて、今サラリーマン戦士として戦争中のわれわれにとっても危険な魅力がある。
明日出社すんのやばいでしょ。嫌だわ。

ジュディ・ガーランドが可愛いのも魅力の1つ。
ベストコンディションって感じがする。

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。映画はやっぱり最高です。
まごー

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