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ホブスンの婿選びのペインのレビュー・感想・評価

ホブスンの婿選び(1954年製作の映画)
4.5
アリ・アスターがCriterion Channelで推していた1本。

スピルバーグが撮影前に見返すで今やお馴染み『戦場にかける橋』『アラビアのロレンス』『ドクトル・ジバゴ』の名匠デヴィッド・リーンの1作ながら、殆ど知られておらず、ここフィルマークスでもレビュー数は少なめ。

しかしスピルバーグが見返す“その3本”にも負けじと劣らずな鬼クオリティの傑作で、本作や『逢びき』然り、“大風呂敷”を広げる前のモノクロ英国時代のデヴィッド・リーンは今もっと観られても良いかも⬅️

19世紀末のランカシャーの小都市で靴店を営む主人公ホブソン(かの有名な『情婦』のチャールズ・ロートン)は、大酒のみの強つくばり。

ホブスンは、適齢期を過ぎた長女マギーが働き者なのを良いことに、ちゃっかり老後の自分の面倒を見させるため側に置き続けようとし、また下の妹2人にもそれぞれ恋人がいるに関わらず持参金惜しさに結婚を認めようとしない。

そんなホブスンを“女子ーズ”たちが結束し、説得して結婚を画策するという通快コメディで、家父長制や階級社会を鋭く風刺している(ラストの余韻は爽やか✨)。

BFIによりリマスター版(※U-NEXT)というのもあってか、そのあまりに端正な絵作りと語り口の惚れ惚れするスマートさ(尺は100分程度)が際立つ。
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