うりぼう

60歳のラブレターのうりぼうのネタバレレビュー・内容・結末

60歳のラブレター(2009年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

20240402 NHKBSプレミアムシネマ

途中から見始めて、最後まで観る、ミッシェル効果。

離婚したエリート、妻に死別した医師、妻が重病の男。離婚し社会に出る母、医師を気にする勝ち組熟女、夫の心配ばかりで自分を放置した妻。それに子供達が絡み、勝ち組の男は素人を狙う。

社交性のないちひろ、翻訳家のハウスキーパーで家主麗子に必死に話かけるが、勝ち組女、相手にせず。でも、差し入れの煮物を迷惑がりながら舌鼓。豪華なマンションに住むが、孤独な独り身。

麗子、ちひろを相手に金の使い道を説く、パーティーに連れて行く。シンデレラは人気作家麻生の目に止まり、ナンパされる。ちひろ、麗子に金目当てかと問い、大笑いされる。相手は遥かに大金持ち。

元夫の孝平、不倫相手の会社に再就職、会議で若手の提案を一蹴、リスクの少ない自分の案を押し付ける。

正彦、妻の光江と主治医の静夫から検査結果を聞く。腎臓の数値も改善し、お酒の許可が出る。喜ぶ正彦、静夫「光江さんのおかげだよ」と念押す。光江、ドアに頭をぶつけ、本当の患者は彼女であったことが判明する。脳腫瘍、即日、入院。

そこは、孝平の娘マキが出産した所。病室で妻と再会した孝平、多弁な妻に驚き、この家族に自分の居場所の無さを感じる。

静夫、娘理花との食事、理花に再婚相手の話をされ、辟易。喫茶店で麗子の翻訳助言をする静夫、食事に誘われる。

麻生とちひろ、デイトで食事、ちひろの昔の愚痴に麻生、いい所を見せようと反応。車で送られたちひろの帰宅に孝平が遭遇、ちひろを非難すると猛反撃を食い、強烈に凹む。更に帰社すれば、若手の案が採用され、追い打ち。

家のちひろ、マキに札幌旅行の相談、マキ、自分の気持を素直に伝えてと助言。悩むちひろに、来客が。

静夫、理花と麗子宅で手料理、麗子、必死に話題を提供するが、理花は無反応、ついに理花、タバコは嫌、料理も下手と離席する。追う静夫、凹む麗子。一人、理花が戻ってくる。「パパを弄ばないで」麗子、泣いて「ふざけるな。必死の想いで彼を誘ったのに、私の恋の邪魔するな」理花、目を丸くし、反省、一計を案ず。

魚を焦がす孝平にマキから病院へ呼び出され、そこへ四国の写真館北島が30年前の写真と手紙を持参。

正彦、自宅で入院グッズをかき集め、直せと言われた押入れを開ける。壊れてない、中には欲しかったギターの誕生日プレゼント、中の手紙は「これ位の甲斐性あるよ」正彦、マーチンを引っ提げ、花江の病室へ。

孝平、30年前のちひろの想いを知る。そこへギターと歌が流れ、皆が集まってくる。昏睡する光江に唄いかける正彦のミッシェル、電撃を受ける孝平、マキの家に駆け込む。カーテンを外し、絵の具を塗りたくる。

静夫、凹んで妻の墓参り、何故かご機嫌な理花がやって来る。パジャマでふて寝の麗子、静夫が突然来訪、慌てて、着替えも片付けもままならぬ。鍵も掛け忘れ、静夫、侵入。静夫、理花の宿題を訳してと英文を読む。訳す麗子の目に涙、娘が不器用男女のキューピット。

翌朝、孝平、出社し、辞表を提出、夏美社長から「拾ってくれる所無いよ」と言われ、孝平、その通りと思いつつ、急ぐ。

結局、ちひろ、麻生とラベンダー畑に行くが、全く咲いていない。丘の上から孝平登場、ちひろに30年前の手紙の返事を渡す。ラベンダーを諦め、麻生達、車へ戻り、ちひろ手紙を開ける。窓からは、丘の上に孝平、2本の枝木に描いた絵を掲げる。そのまま去る車。「幸せのラベンダーのカーテン」は届かない?

シンデレラはゆっくりと丘を登ってくる。抱き合う二人、もう一度やり直したいと孝平、頷くちひろ、これから私の恋が始まると思うちひろの周囲にラベンダーが咲き誇る。

ミッシェルを唄い続ける正彦、気がつく花江「ずいぶん下手になった。けど、今の方が味がある」と両手もしっかり動く。ロビーでマキと彼氏、結婚を決意する。

3通のラブレターは寄り添った家族の歴史があり、想いがあり、覚悟がある。それは日々、積み重ねられるもの。縦の糸は貴方、横の糸は私、織り成す布は誰かの傷を癒やすかもしれない。
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