せみ多論

ホステルのせみ多論のレビュー・感想・評価

ホステル(2005年製作の映画)
3.3
タランティーノ絡みということで鑑賞。
バックパッカーの男三人組がヨーロッパを、ドラッグ、女、酒に満たされながら欲望のままに気ままな旅。
そんな道中、アムステルダムのポン引き男に紹介されたのがスロバキアの田舎町のホステル。そこじゃ外人男はモテまくって、ウハウハだそうです。男らウキウキ。

勿論罠ですけどね。

そこにあるのはハッピーな田舎町じゃなくて、どうやら秘密の会員制殺人・拷問クラブだったようで、男らは一人また一人ととっ捕まって餌食にされてしまうわけですが、まぁどうなるかってのがお話の中身です。

あたくし情けないことに最初主人公を間違えてました。序盤で死ぬだろうなと思ってた男が主人公だったとは…不覚。

殺人や拷問のシーンは割とグロイ。痛々しいというのが正解なのかわかりませんが、アキレス腱を切って逃げられるかどうか試させたりとか印象的。
チェーンソー持ってる人がスッ転んで自分を切っちゃうのは、お約束というかおふざけと言うか、お、笑わせに来たなと言う印象。カナちゃんの顔の傷も怖いというよりはちょっと安っぽい感じで狙いはわからない。日本人設定だったので、お岩さんとか意識してたのかしら。

ストーリーで印象的なことに復讐これがある。
本作内で、秘密クラブは全く壊滅もしないし、世間に知れ渡ってどうのこうのという描写はない。ただ主人公は自らが関わった奴らに対してはしっかりとリベンジを成功させて物語を終える₍ネタバレや₎。つまりは大きな目で見れば物語の暗部たる部分にはほぼ影響は出ないであろうけれども、ごく小さな個人的な部分での関係性の清算のカタルシスがある。
確かに脱出できて仇も取れたけど、根本的な問題は解決してない、主人公目線では良かったけど全体としては不安が残る。このもにょにょした感覚が魅力なのかもしれない。

この田舎町のどこまでがグルなのかはっきりしない部分も不気味でよかった。ホステルの関係者すべてなのか、警察も全てなのか町の人のどれほどがなのか判らない。そこが気持ち悪くて良い。

ただ内容のわりには少し長いなぁとは思ってしまった。ただ浮浪キッズたちが強すぎなところとか、件のチェーンソーなど笑えるところがあるのは良いかもしれません。グロとギャグの共存。そんな印象。
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