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深く静かに潜航せよのHKのレビュー・感想・評価

深く静かに潜航せよ(1958年製作の映画)
3.7
タイトルは有名ですが未見だったのでCS録画して観たら、監督は名匠ロバート・ワイズ、主演はクラーク・ゲーブル(当時57歳)とバート・ランカスター(当時44歳)という古典大作でした。
もうこの2大スターのツーショットだけでも貴重。

原題は“Run Silent, Run Deep” ほぼ直訳ですが原題も邦題もいい響き。
冒頭からいきなり九州と四国の間の豊後水道で・・・と説明が始まりちょっとビックリ。
この映画で描かれるのは太平洋戦争でのアメリカ潜水艦と日本海軍との戦いでした。

かつて豊後水道で艦を沈められた苦い経験がある艦長(ゲーブル)は『白鯨』のエイハブ船長のごとく、宿敵である日本海軍の駆逐艦「アキカゼ」への復讐に燃えています。
敢えて危険海域に向かう艦長と、船員たちの安全が第一と考える副艦長(ランカスター)との確執も含め、本作はその後の潜水艦モノの名作にかなり影響を与えているようです。

けっこう脚色はされていますが、原作は潜水艦を扱った小説の古典的名作だそうです。
撮影に使われたのは実際に戦時中活躍した「レッドフィッシュ」という潜水艦。
海戦シーンはCGがまだ存在しないためほとんどミニチュアですが、モノクロが多少の粗を隠してくれて潜水艦VS駆逐艦と潜水艦VS潜水艦をなかなか面白く見せてくれます。
気配を消すため動力を停止した潜水艦同志がニアミスですれ違うシーンなんかミニチュアとわかっていてもなかなかイイ感じ。

出演は上記二人の他には、『十二人の怒れる男』の頃のまだ若いジャック・ウォーデン。
『戦略大作戦』やMr.ポテトヘッドの声でもおなじみのドン・リックルス。
この顔ダレだっけとなかなか思い出せず終わってから気づいた『荒野の七人』の中で一番地味なブラッド・デクスターなど。
音楽は『サンセット大通り』や『陽のあたる場所』のフランツ・ワックスマンでした。
HK

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