Yurari

アレクサンドリアのYurariのネタバレレビュー・内容・結末

アレクサンドリア(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

どこまで史実に忠実かは分からないが、知らない話が多くとても勉強になった。

女性学者のヒュパティアは、研究者であり教師。
生徒たちに物事の考え方や当時最先端と思われる科学を教える。
彼女の講義を受けた生徒達は、その後アレクサンドリアの政治もしくは宗教の中枢を担う人材になっていく。
生徒の中に奴隷もいたのが謎だったんだが、普通のことなんだろうか…?
平等を愛するヒュパティアの方針…?

その後、エジプトの宗教(八百万の神を信仰しているっぽいので、キリスト教とはルーツが異なる?この辺りよく分からず)と
キリスト教徒が対立。
エジプトの宗教は敗北し、勝者となったキリスト教徒はその後ユダヤ教徒と争いを始める。
争いと憎しみの連鎖が見ていて辛い。
石打ちなど、蛮行が多々描かれ、人間って本質的に野蛮なのかしらと暗い気分になった。
図書館を破壊するシーンは嫌悪感しかなかった。
ただ、キリスト教徒の描き方が恣意的に過ぎる気がした。
エジプトの宗教を信仰する人たちが白い衣装、キリスト教徒は黒い衣装で、キリスト教徒が悪の権化みたいに描かれていた😓

宗派争いが勃発するなか、ヒュパティアの元生徒達は、立場の違いから様々な葛藤を強いられる。
ラストは絶望的。

ヒュパティアは、信念を貫き、信仰を問われてもその対象は哲学であると言う。
その真っ直ぐさが絶望的なラストに繋がってしまった。

それにしても、この時代の(いや、今も地域によってはあるかもしれない)女性蔑視の程度には驚かされる。
女性が上に立つことや、人に教える事は神に背くことである、と聖書に書いてあるという描写があったが、本当なんだろうか?
もし本当なら、聖書の内容をアップデートした方が良いのではなかろうか…。
原典をあたらねば…。
Yurari

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