WOWOWにて前情報なく視聴。
非常に良かった。数年に一度は観たい映画。
テーマは「正義は盲目」かな…。
キリスト教批判映画ではなく、キリスト教だろうとユダヤ教でもイスラム教でも仏教だろうと、盲信は権力と暴力を生む。
司馬遼太郎さんの言葉で「自分が絶対に正しいと思い込んだ時に最も残酷なことをする」ということが良くあてはまる。
この映画ではたまたま宗教が主テーマだが、奴隷制の賛否や天動説地動説など、自分が信じていることが「正しい」と信じ込んでしまうことは危険である。
昨今の日本でのSNSにおける誹謗中傷なども同様。自分が正しいと思い込んでいるからこそ、心ない言葉をぶつけてしまっているのではないか。
何度か出る俯瞰の画も象徴的。
争う人々が蟻のように見えたと思っていたら、その後に本物の蟻を見せているので確信犯だなと。
ストーリーに救いはないが、人間の愚かさと儚さ愛らしさが同居していてとても良かった。