成瀬巳喜男の「乱れ雲」を思い出した。加害者と被害者の妻が恋愛に落ちる物語は、禁断の魅力がある。
「乱れ雲」は知っていて惹かれるのだが、こちらは隠していたので、真実を知った時、何故許せたのか?がつきまとう。
確かに主人公のバディは、鼻持ちならない輩ではあるが、その弱さからアルコール依存症になり、治療目的もあって必死でアビーに善意を尽くそうとするところが、人間味溢れていたし、裁判のシーンで嘘をつかず真実を述べる姿を見て、心動いたのだろう。
そして、ヒロインのアビーがとても魅力的である。ドジで危なっかしく、それでいて誠実で優しいキャラは、バディで無くても守ってあげたい衝動が走る可愛らしい人で、グウィネス・バルトローはとても上手く演じていた。
これに男の子二人を加えた4人が、とても微笑ましく、何バウンドかして、落ち着くところに落ち着いたのかなと思った。
観終わって、とても幸せな気分になれた。