Scratchy

光る海のScratchyのレビュー・感想・評価

光る海(1963年製作の映画)
5.0
七人の侍ことクラスに七人だけしかいない男たちの大学生活回顧からはじまって女の強さを印象付けて(痩せた捨て石!)最後まで突っ走るからほとんど男たちはお飾りだけれど余裕がある。憎まれ口がサマになってて小百合いいぞー、自信家、聡明、性格悪いといい小説家に慣れる素質十分。自信過剰な女たちみんな良いけど、というか学習院の坊ちゃん嬢ちゃん聡明で自信に溢れすぎ。気付けばお菓子食べてる和泉雅子が敵なし、ロールケーキポップコーンあんみつに酔っ払いが持ち帰った手土産も。噴水をぐるりと回るとこもう一周くらい回ってくれてもいい。庭でバーベルあげたあとセックスレポートを両親に報告するとこもいいし、浜田光夫に早口で自分を売り込む登場シーン(そういえば足の爪切ってた)ところも面白いけど、あそこはそのあと父親が帰ってきた後のみんなの動きが細かくて大好き。ミヤコ蝶々も医者も妊婦に厳しく看護士は下品で最悪な出産環境。田中絹代だけ深刻で暗くてつらいけど、なんちゅう図々しさ。爪切りが結婚生活の良さをあらわす美しいワンカットねえ。全体的に結婚がテーマなのに恋愛の欠片もない感じが現実的で面白い。そして性生活、再婚する母親に初夜の報告をせがむとか、新婚旅行の見送りにセックスした回数だけ丸つけた絵葉書送ってくれとか、なんちゅー吉永小百合。でもちゃんと恋愛っぽい感じだしたのは小百合だけかな。酒飲んでべべ(犬)と晩酌していて、母からの電話に詰問そして号泣。自分が恋愛できないからお母さんに八つ当たりしてると解説しながら涙を拭く飯田蝶子。タクシーの運転手に高砂を唄わせる浜田光夫。どいつもこいつもめんどくさくて最高です。
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