三島由紀夫・主演×増村保造・監督。
日本を代表する文豪・三島が映画に。それだけでも記録として価値がある。でも絶対ヘタだろうなぁ、イメージ壊れるなぁと観るのを避けてました。
組の2代目を継ぐヤクザに扮するのが三島由紀夫。ゴリラみたいな顔に革ジャン、すぐ脱いでムキムキの肉体美を見せる。
思ったとおり芝居がヘタ、背が低いし、格好つけてもサマにならない。でも許せるのは、一生懸命さが伝わるからかな。
後からwikiで知ったのだけど、増村監督は相当厳しくて、イジメにも似た罵詈雑言を三島に浴びせたそう。三島は文句も言わずに耐えた。撮り終わって「もう映画はこりごり」と言ってます。監督は東大法学部で三島と同級生なんだとか。
三島自身が大好きな若尾文子が相手役。純情な娘を好きになるヤクザ、というわかりやすい設定。三島のための映画ってことですね。ラブシーンがぎこちなくて笑える。
ラストシーンがいい。ぶざまでインパクトがあって。今作にふさわしいラスト。大怪我して何日も撮影が中止になったそう。よく頑張ったなぁと素直に思えるシーンでした。
ドキュメンタリー『三島由紀夫vs東大全共闘』でも思いましたが、三島は器の大きい人。今作を観たら可愛く思えて、ますます好きに。カッコは悪いですけど。三島の頑張りにスコアはプラスです。
✳︎JTKさん、ありがとうございました✳︎