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フランケンウィニーのmizukiのレビュー・感想・評価

フランケンウィニー(2012年製作の映画)
4.8
登場人物みんな目が窪み、クマやシワがあり、悲壮が垣間見える。不気味で不思議なファンタジー世界としてキャッチーに描かれているが、私はこれこそリアルで正しいって思った。毎日血色のいい顔なんて、逆に怖い。だからゴシックというジャンルはいいなと常々思う。これはゴシック崇拝映画ですね。
人はみんな必ず死ぬのに、日々生と死は隔絶されていて、その違和感を物心ついた頃から割とずっと感じている。かなり多くの人が、一度は親戚や身内の死を経験する。亡くなったら、医者と葬儀屋さんに任せればなんとなく全てが終わる。なんかそれも違和感で。死が漠然と怖いのって、死がそうやって非日常化されているからなのかなって思ったり。「わからないものは怖い」、の論理で。知れば怖くない、知りたい、でも、この世の誰も死んだことがないのでもっとわからなくなっているのが、今。
この映画は、死んじゃって悲しいよね😢の感動映画ではなく、いつかはみんな死ぬし大事な存在も急に亡くなるかも…その後どうする?と死の受容をしていく、それも感情論だけでは片付けなくて科学でなんとかしていくという映画。だから、途中結構ゴジラと似てる部分もあったな。科学は使い様によっては人も自然も傷つけることが容易にできてしまう。だから科学で解き明かす理由や願いが重要になる、という。感情論だけではなく冷静に科学を用いて論理的に思考することは大事だし、自分や誰かがちょっと生きやすい世の中になることを念頭に、誰かを思って現象の原理と再演性を見つけていくことも大事。
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