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ジュラシック・パーク IIIのEikeのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)
3.2
1993年にスピルバーグ監督が世に送り出したシリーズ第一作「ジュラシック・パーク」そして原作付きの続編「ロスト・ワールド」を経て、この2001年のこの第三弾からは映画オリジナルとなりました。
しかし第四弾が製作されることなく、2015年に「ジュラシック・ワールド」でリブートされるまで14年の月日がかかりました。

スピルバーグ印の第一・二弾に比べると本作は微妙に印象が異なるのですが「娯楽映画」としては一番気軽に楽しめる作品に仕上がっているのではないでしょうか。
ランニング・タイムも90分程度とコンパクトですし(前2作は2時間以上)、文明批評がどうたら遺伝子操作技術がナンたらといったかったるい部分はバッサリと切り落としてあります。

そもそも、このシリーズに求められるのは「リアルな恐竜達」を目撃するスリルと恐竜達が巻き起こすパニック・スペクタルであり、その意味で観客の要望にストレートに応えようとした姿勢自体には好感が持てます。
その上で1作目に続いてサム・ニールとローラ・ダーンが登場することできちんとシリーズへのリスペクトを表していますし、ウィリアム・H・メイシーやティア・レオーニ、マイケル・ジーターといった実力や個性を感じさせる面子を揃えていることでドラマ部分の補強を図っている点にも好感が持てます。

オリジナルにあった大作感は薄れましたが開き直ったB級怪獣映画としては悪くない出来であります。
ジョー・ジョストン監督も随所でセンスを感じさせています。とくに今回初めて大きくフィーチャーされた翼竜の初出現シーンはお見事でした。

さて、2022年に新トリロジーも完結した訳ですがアメコミ映画のフランチャイズを持たないユニバーサルスタジオが稼げるフランチャイズを放置して置くはずもなく、新たなシリーズ開始を模索している模様です。
確かに「ジュラシックワールド・ドミニオン」では恐竜たちと人類の共存について何ら答えを提示してくれなかった訳でいくらでも続きを描けそうではあります。
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