のき

ジュラシック・パーク IIIののきのネタバレレビュー・内容・結末

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

うーん。前2作と比べると、島に息子を探しに来たビリー親子に巻き込まれるだけでストーリー性・メッセージ性が乏しく、あまりワクワクしなかった。恐竜そっちのけで家族愛に夢中なビリー一家を中心に描いているせいで、恐竜へのロマンを感じる場面が少なすぎる。目新しさは空が主戦場のプテラノドンの描写と、ティラノサウルスvsスピノサウルスの巨大肉食恐竜対決くらい。

展開にもいろいろと無理があった。原作通りだから仕方ないけど、幼いエリックがたった一人で2ヶ月も生き延びてることも、エリックなら大丈夫と思わせる説得力のある描写がまったく無いせいで非現実感が否めない。ティラノの小便を回収するとか、いくら恐竜オタクでも普通の子どもにしては不自然なほどのサバイバル力。それにしても2ヶ月無事に生きてきたのに、大人と合流したとたんにピンチに巻き込まれてエリックかわいそう。
あとラプトルの卵持ってきたせいでずっと追っかけられるけど、恐竜はある程度敵に襲われる想定で卵多めに産むもんだろうし、執着具合が異様で不自然に感じた。卵返したら襲ってこないし、知性のあるどう猛なハンターぶりを感じさせるシーンも今回は少なかった。
電話の着信音でスピノサウルスの接近を匂わせる演出は面白かったけど、排泄物になってまで無傷の状態で普通に鳴り続けてるのもなんだかなーと思ってしまった。そこは気にしすぎか…

映像についても、やっぱりスピルバーグ監督に比べると前2作ほどの臨場感やスケール感を感じなかった。恐怖を煽ったり、壮大さを表現するときの間の取り方というか、もっと緩急があってほしい。あと、恐竜を見たい!と楽しみにしている視聴者が最初に見る恐竜が、グラントの夢の中(飛行機内で隣に座ってるラプトル)っていうのもなんだか微妙だった。

2でまったく出てこなかったグラントが再び主役で、エリーも登場したのは嬉しかった。逆に今回はマルコムもハモンドも一切出てこなくて少し残念。大声出して息子を探すことしか考えてない身勝手なアマンダは、息子を守って亡くなった恋人ベンのことも一切気にかけないし、なかなかの嫌悪感だった。

とりあえずエリーの察知力と行動力素敵、ほんまにありがとう。エリーの子どもめちゃかわいい。
のき

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