キャベツ

少林寺木人拳のキャベツのネタバレレビュー・内容・結末

少林寺木人拳(1977年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

木人拳というのは修行の修了過程に出てくるのだが話の筋としては中盤くらいで、印象的な名前と道具立ての割にはストーリーとはそれ程関わりがない(しかし原題に準じてはいる)。この物語は復讐譚なのだが、主人公の一途な姿勢にうたれた複数の指導者から複数の拳を教わり、その結果として敵のクンフーを上回り打ち倒すことができる、といった少年誌の王道の様な話で見ていておもしろい。指導者のうちの一人が実は父を殺した本人で、決闘の内に葛藤を含み、赦しへ向かうという筋は大時代的ではあるが、やはり心を動かされるものがある。
主人公は幼少時に父の仇を見つけるまではと、つくり啞になる程の決意の持ち主なのに、長じるまで特別な訓練などはしていないのは不審だ。精神的なショックから話せなくなったという方が素直なストーリーになると思うがどうだろう。また、殺すなかれという尼僧の教えを受けて急所攻めを躊躇するほどなのに、その直後、敵から奪った刀を投げて串刺しにしてしまう。あれはクンフーじゃないからOKとか、刺したからって死んだとは言ってないってことなの...?
所々おかしいが、ストーリーは地味に良く出来ていて、格闘シーンが冗長に思えるくらいだ。劇的で大仰で見ていて楽しい作品。
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