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少林寺木人拳のmatchypotterのレビュー・感想・評価

少林寺木人拳(1977年製作の映画)
3.7
ジャッキー、久しぶり。あなたの師の作品を優先して観てたからしばらく間が空いてしまったな。

1977年、割と初期の方の作品。
ジャッキーがまだまだあどけなさすら感じる頃の作品。

“木人拳”、見た目がスゴい。本当に“木人拳”。
暗く狭い通路の両側に木の人形がひしめき合って置かれていて、それらがそれぞれ並び合って手足を動かし攻撃を繰り出してくる中を抵抗しながら突き進むという、、、なんか、“たけし城”を思い出した。

山奥の少林寺で、ひたすら修行を積むも、毎日毎日、階段上り下りの水汲みと薪割り。現代社会ならただのパワハラ以外の何者でもない鍛錬。

これらを繰り返しても先輩たちですらなかなかクリアできない“木人拳”。
これを最後までいけると修行は終わりで山を降りれるのだが、、、。

そんな時、寺の奥の“立ち入り禁止”の洞窟の中に入っていくと何やら怪しいオヤジが鎖に繋がれ閉じ込められている。
その親父に気に入られて認められ、鎖に繋がれたまま、ジャッキーに稽古をつけ、カンフーの技を磨かせる。

それを知ってか知らずか、この寺に住んでいるという尼さんも現れる。親父が教えるカンフーは少々荒くれていて、その荒ぶりを諌めるような別の穏やかな技を身に付けされる稽古をつける。

これが結果的にジャッキーに“剛”と“柔”を兼ね揃えさせることになる。下働きみたいなことばかりでなかなかその先の成長がなかったジャッキー、大成長、、、“木人拳”、制覇。

ここが見た目もここまでの成り行きとテンション的にも結構盛り上がったから終わっちゃうのかと思ったら、ジャッキーが山を降りてからさらに話の先がある。

“殺気を持ってカンフーをしてはならない”
“急所を狙うな”
“少林寺拳法を悪きことに使うと民が畏れる”

まさかのあのオヤジがとんでもない奴でったという展開。これはなかなか意外。

そして、このオヤジがまさに“少林寺拳法を悪きことに使う奴”で、今度はジャッキーがこのオヤジの暴挙を止めるために少林寺に舞い戻り秘技を身に付ける、、、。

話はシンプルすぎるが、そういう意外性やそもそもジャッキーは“口がきけない”というハンデも背負うキャラクターで、少林寺拳法の弱気を助け強きを挫く魂が込められている。

オヤジがジャッキーに“縁”を感じると言っていたが、“縁”どころか、“因縁”“宿命”レベルの展開が待っていた。

この頃のカンフー映画は、最後の最後に大きな見せ場、大立ち回りがあって、今回はかなり長丁場。
そこのタフさ、キレ、緊張感、パワー、スピード、何から何まで凄まじい。

“因果”じゃ。
まさに、その通りの作品。

ジャッキーが初々しいが、逆に体のしなやかさやバネ、反射神経や、キレ、パワーが最高にノッていてカッコいい。
最後の啖呵もキマッてた。

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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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別視点で色々映画について書いていこうと思います!ご興味ある方は是非お待ちしております!
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