ばんがど

E.T.のばんがどのレビュー・感想・評価

E.T.(1982年製作の映画)
4.4
徹底した演出が冴え渡る名作。
孤独な少年が、E.T.との出会いを通じて、自分の意思を主張し兄たちを率いてE.T.奪還を先導するようになるまでの成長劇を丁寧にそして生々しく描いている。
"Come." "Stay."
これほどシンプルでたくましい台詞はない。

光と影の演出が巧みで、暗闇、逆光、暖色の室内灯、窓から差し込む光、車のサーチライト、木漏れ日、青空、E.T.の命の灯、月、UFO、そして虹。その時々の雰囲気や感情を、言葉や表情を超えて伝えてくる。

大人たちは徹底的に恐ろしい。どの行動も適切であるにも関わらず、カット割りや金属音、エンジン音などの演出だけでここまで不気味に演出できるものなのだなと感心する。
音楽はどのシーンも圧巻!特にメインテーマが流れるシーンは、映像の浮遊感も相まって、エリオットと共にE.T.との一体感を味わえる名シーンだ。オーケストラで観賞できて本当によかった。

超ヒット作過ぎて、普段はあまり見返そうという気にならないが、観始めれば、一瞬にして魅了され、心が清涼される。やはり名作。
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