イチロヲ

ビヨンド・ザ・マットのイチロヲのレビュー・感想・評価

ビヨンド・ザ・マット(1999年製作の映画)
4.0
「プロレス」という呪縛を抱えるレスラーたちの実像を追っている、ドキュメンタリー作品。生粋のプロレス・ファンである監督が、WWF(現WWE)、ECW、その他インディー団体を取材している。

密着取材を受けるレスラーは、引退と復帰を繰り返しながらプロレスバカ一代を突き進んでいる、テリー・ファンク、ジェイク・ロバーツ(「レスラー」の元ネタ)、ミック・フォーリー(筆者のフェイバリット・レスラー)など。

レスラーは会場を沸かせるためには何でもやる、ショーマンシップの固まりのような存在。だが、家族からすると父親(子供)目線が入るため、単なるショーでは済まされない。どうしても、当事者にしか分からないリアルな齟齬が生じてしまう。

「マンカインド 対 ザ・ロック」の試合では、事前打ち合わせから、ピリピリとした緊張状態までの流れを記録。ロマンティシズムの演出にあざとさが感じられるが、ショウビズに関わっている人間たちの悲喜が克明に収められている。
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