かじドゥンドゥン

フォーガットンのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

フォーガットン(2004年製作の映画)
2.5
飛行機事故で幼い息子サムを亡くして14ヶ月、心の傷が癒えない母テリーは、精神科で治療を受けているが、医師からも夫からも、そもそも息子などいなかったのだと諭され、混乱する。たしかに、あるはずの写真もすべて消えている。それでも息子サムの存在を否定できないテリーは、息子の同級生の父親で飛行機事故の遺族であるはずの元ホッケー選手アッシュ宅に押し入り、彼にも娘がいたことを証言させようとする。家宅侵入で警察に連れ出されたテリーであったが、アッシュはかろうじて、娘の記憶を引き出され、テリーの主張に信憑性を感じ始める。

国家安全保障局が執拗にテリーを追い廻す。これは裏に何かあると直感したテリーは、アッシュを説得して、彼と共に逃避行しながら、息子たちの居場所を探す。そしてどうやら、地球人における〈親子の絆〉という謎を解明すべく、宇宙人が事故に見せかけて親子を引き離し、その記憶の残存度を計測していること、そして国も精神科医もこの実験に加担させられていることを曝く。最後、母子の絆と記憶を完全に消し去ろうとする実験担当者(宇宙人)にテリーが抗い、実験終了時間までテリーがサムを忘れなかったため、担当者は罰せられ、天空に引き掠われて、返された子どもたちは何事も無かったかのように公園で遊んでいる。

心理サスペンスの雰囲気ではじまりながら、急にSFに転じ、しかも設定(実験の趣旨や、実験担当者の立場)が稚拙。要するに、「母子の愛情なめんな」ということなんだろうが・・・。