肉鹿

ポエトリー アグネスの詩(うた)の肉鹿のレビュー・感想・評価

4.2
中学生の孫息子と暮らす初老の女性。ある日、詩作教室の存在を知り通い始めるのとほぼ同時に、孫の重大な秘密を知ることになった———イ・チャンドン監督作品。

初老の女性の描き方が抜群に上手!ずっと目が離せれなかったです!!!
おしゃれだって言われるのが嬉しくて常に服が華やかだったり、話す相手がいないから耳を傾けてくれる人だと長話やめられないって描写が生き生きと筆致されていて可愛らしくてにやにや止まらなかった🤤

そして演じたユンジョンヒの演技力も抜群に上手で、上品で慎ましやかに生きてきた女性を体現したような見た目や物言いの柔らかさから説得力しかなかった!

気付いたらあっという間に彼女の虜になって深く感情移入してしまい、津波のように襲いかかってくる悲劇にいっしょに悩んで表情曇らせて泣きそうになってた😭

詩を綴るという設定も遺憾なく効果を発揮して、ずっと書けないと悩んでいた彼女が自分のためじゃなく人のためになら書けたというのも感動!

なんか感動巨篇のような作品だと誤解される書き方になってしまったけど、1箇所たりとも安易に泣かせにきてるとこはないです。
詩的に情感だけを伝えてくれる映像に、見た人の想像力も加わってひとつの作品が出来上がっていくさまは「ポエトリー」のタイトル通り。
そしてひとりよがりにならずに痛いほど伝わってくるのはイ・チャンドン監督の素晴らしい手腕というしかない👏

いまだにラストの余韻から抜け出せれないでいます、、
肉鹿

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