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ポエトリー アグネスの詩(うた)のxoのレビュー・感想・評価

3.0
主人公自身の物忘れ、孫が起こす事件、詩の教室、介護の仕事といった要素が等価なバランスで映され、それぞれに展開していく。

時間が進むに従ってそれらが結びついていくものの、パズルのようにはまるというよりは、絡み合うというよりは、薄いつながりだけで話が物語られるような感覚。

大事件が起こるでもなく淡々としていながら、それぞれのシーンはユニークで面白い。

最終的に導き出される結論は、思いのほかシンプルかつ普遍的なもの。不正義から逃げずに向き合うこと、贖罪、そして誠実であること。

作品全体が静謐で、徹底的なまでに抑制的。情緒を排している。
それのみならず、本作は観客自ら映画に飛び込んで、意味やつながりを掴みにいかないと、場合によっては"なんだこの話"ってなっちゃいかねないバランス。
イ・チャンドンは観客を信じているんだと思う。誇りに思っているんだと思う。
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