チッコーネ

ポエトリー アグネスの詩(うた)のチッコーネのレビュー・感想・評価

3.2
『高齢女性を主人公にした韓国映画』というだけで珍しい、しかもユン・ジョンヒには60年代から続く長いキャリアがあり、主演カムバックというドラマ性も。

設定にはどす黒い闇が横たわる。
しかし作風は「醜い現実の直視を避ける代わりに、ゆっくり核心へ近づいていく」という、優しくも芯の強い高齢女性ならではのサバイバル術に準じており、観進めやすい。
それにしても140分というランニングタイムは長過ぎたが「対象をまっすぐ見つめ、理解に努めたうえで行動に表す」という贖罪の本質を、詩作になぞらえた脚本は重厚。
白紙のノートに雨粒が落ちる映像も美しく、印象に残った。