RYUYA

ポエトリー アグネスの詩(うた)のRYUYAのレビュー・感想・評価

4.5
ある晴れた日、川遊びをする少年たち。
流れ着いた少女の死体。
表示されるタイトル『詩』。

冒頭数分の演出だけで「嵐の予感」。
面舵いっぱいで心拍数を上げてゆく。
この物語を乗り越える為に。
孫と二人暮らしのおばあさん。
自分が認知症であると知らずに作詩教室へ通い始め、詩を探し歩く。
矢先、自殺した少女との重く哀しい繋がりを知ってゆく。

痛みが土砂降りの雨のように襲いかかる。
「鑑賞」が「傍観」だと気付かされる、どうしようもない絶望。
救いの手は、スクリーンを突き破れない。
あんなにも辛いセックス。
あんなにも冷たい雨。
あんなにも汚い金。
うわぁーうわぁー。

しかし最後に詩は死を遡り、生を描く。
それは、絵空事かもしれない。
でも確実に人生を肯定していた。
アグネスが人生で1番美しい瞬間。
目のダム決壊。
RYUYA

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