バナバナ

ポエトリー アグネスの詩(うた)のバナバナのレビュー・感想・評価

5.0
ヤン・ミジャは病院で認知症の疑いが掛けられたのをきっかけに、かねてからやりたかった詩を習いに、地元の文化センターに通い始める。
ちょうどその頃、一緒に住む孫がとんでもない事件をしでかしたのだった。

先に日本映画の『ポエトリーエンジェル』を観たが、あちらの詩の教室は、生徒が高校生からで詩の内容も軽かったが、
こちらは、文化センターに習いに来ている他の生徒達もアラフォー以上で、それぞれが一波二波越えてきている人達だから、重い重い。
まあ、私の“詩”のイメージは、人生かかってるこっちの方がしっくりきたけどね。

何も反省していないような当事者たち。
本作は、2004年に起こった蜜陽女子中学生集団暴行事件をモデルにしていると思われる。
加害者側で被害者に共感していたのは、唯一この主人公だけだろう。
彼女の過去は分からず仕舞いだったが、これに近い事があったのだろうか。
しかし彼女の執った行動は、彼女の気持ちとは裏腹に、病気のせいで反って被害者家族の心情を逆なでする結果になったかもしれない。

一番悲惨なのは被害者だが、祖母は孫のしでかした事に、彼女が出来る責任は取った。
後の責任は、自責の念が全くない孫自身や、祖母に預けっぱなしだった母親が取ればいい。
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