ハム

ポエトリー アグネスの詩(うた)のハムのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

『韓国映画 この容赦なき人生』から

主人公はヤン・ミジャ
いつもオシャレな服に身を包んでいるが、生活保護を受け介護のバイトで生計を立てている
孫と二人暮らしだ

アルツハイマーを発症しているが、これは2人の生活が苦しくなる話ではない

衝撃の事実が発覚する
孫が、友達5人と同級生の女子を犯していたのだ
その女子は自殺をしてしまう

この映画、観ていて気持ち悪くなるシーンは多々あるのだが、それは全て思わず目を背けたくなる状況から目を逸らしていることが根幹にある

事件を起こした子どもたちと保護者との会話が一切描かれない
保護者たちは中学生である子や孫の将来を案じ被害者遺族との示談に奔走する
学校も事実の口止めを図る
被害者遺族の感情の爆発が冒頭しか描かれないのも印象的
あくまで、観たくないことから目を背け続ける人の姿が映し出される(子どもも然り)

そんな中、ミジャは次第に被害者の女子の足跡を辿り始める
初めは教会から、次いで学校、自殺現場、家…
さらには、被害者が体験したことまで追体験を試みる

最後には、ミジャは通っていた詩の教室で課せられていた一編の詩を完成させる
それは被害者の女子に向けられたものだ

見たくないものを見ない
臭いものには蓋
これはミジャだけでなく、遍く人間に共通することだ(少なくとも、そうした瞬間はあるはずだ)
ハム

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