ナミモト

ポエトリー アグネスの詩(うた)のナミモトのレビュー・感想・評価

4.2
66歳の女性、ミジャは介護職をしながら、娘から預かった中学生の孫と生活している。その暮らしは決して楽ではない。
亡くなった女子中学生の死に自分の孫が関わっていた。
示談に持ち込もうとする加害者家族の親たち、問題を表沙汰にしたくない学校、親に子どもを預け釜山で働きながら一人暮らしをしている母親、反省の態度をみせない孫、亡くなった女の子の気持ちや真実を誤魔化してうやむやにしようとする周りに対して、
段々と言葉を失いゆく病になりながら、ミジャが書き記す詩は、自分をいいように丸め込もうとする周りへ、唯一ミジャが持つ抵抗の手段。
男社会の中で、高齢の独り身の女性が、どう抵抗していくか、その真の強さのようなものも感じました。そもそも、高齢の独り身の女性が抵抗しなければならない社会に歪みがある気もしますが…、日本も決して人事ではない社会だな、と感じました。
ナミモト

ナミモト