HAL2016

ポエトリー アグネスの詩(うた)のHAL2016のネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

イ・チャンドン監督の映画は、どれもこれも人間の本質のようなところへの問いかけがあるので心に刺さる映画ですが、今回は加害者側の家族の視点でその償いがテーマとしてあります。主人公のミジャ姐さんが被害者のアグネスの心の軌跡を詩にしていく過程が描かれます。加害者である孫も加害者グループの親達も罪に対する意識が希薄で、ミジャ姐さんはその事に納得がいかないのだけれど、自分でも気持ちの整理が出来ずモヤモヤとした毎日を送っていて、たまたま通っていた詩作の教室で、現実をしっかり見る事が詩を作ることに繋がる、美しいものを探すのが詩を作ることだと教えられやっと最後の詩を書く事が出来るようになります。途中自分が一番美しいと思った瞬間を詩作教室の生徒が話すシーンや詩の朗読シーンは感動します。最後にミジャ姐さんが作った詩が読まれるところは胸が熱くなります。私はこの詩を聞いていて何故か宮沢賢治の『永訣の朝』を思い出しました。
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