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ポエトリー アグネスの詩(うた)の一のレビュー・感想・評価

4.3
イチャンドン監督作品の中ではなぜか知名度がかなり低い本作

結論から言うとこちらも文句なしの傑作です
やはりイチャンドン監督凄まじい…


描かれている内容は現代韓国に蔓延る性犯罪や腐りきった社会
主人公は貧しい暮らしの中でも、美しいものを大切にしていきたいと願う老女

自殺や老い、認知症といったテーマを描きつつ、詩を創る過程を通して “創作とは何か”
という芸術や文学に関わる全ての人たちが模索し続けるテーマにも切り込んでいます

生きることへの切ない想いが胸に突き刺さる

監督はもともと小説家でもあるのでこのような作品も生み出せたのでしょう

主演は60年代を代表する韓国女優ユン・ジョンヒが演じているのも話題になったとか
演技も神がかっていて必見です

本作には他のイチャンドン作品のようなスリリングな展開というのはほとんどなく、終盤までは正直退屈に感じてしまう程引っかかりのない展開が続きます

しかしラストは観た人の胸に浸潤し圧倒的な余韻を残す傑作です

本当に素晴らしいよイチャンドン👏🏻

2019自宅鑑賞No.362 GEO
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