Epi

ポエトリー アグネスの詩(うた)のEpiのレビュー・感想・評価

4.2
尊敬するイ・チャンドンの作品だから、というわけではないが、定期的に観る。で、何度見返しても、ミジャおばあの、あの息苦しい感じが辛い。
どれだけ波乱万丈だったのか、それが全部過ぎて、いま、そこにいるのか。

何かを抱えて飲み込んでいるような表情と暮らしぶり、
どこかに爆発のほつれが出てきそうで、現れないのは、アルツハイマーという「救い」があるからではないか。それもほんとうの救いになるためには、ずいぶん先のような気がするが。

いうまでもなく、ポエトリー「詩」とは彼女や人の生そのものにあるのであって。
その過酷な生き方が、既に「詩」なのだ。

太宰の「人間失格」の「ただ、いっさいは過ぎていきます」のフレーズが繰り返し頭の中に浮かんだ。
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