LalaーMukuーMerry

ポエトリー アグネスの詩(うた)のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

3.9
女子中学生の水死体が川を流れてくるところから始まる、とても静かな作品。 

母親に代わって育ててきた中3の孫の仲間たちが犯した罪。ショックを受けるおばあちゃん。こういう悲劇は、男中心社会の悪弊が抜けてない世界では、かつてはもっと身近だったのかもしれない。お金でなんとか罪をもみ消そうとする男社会の対応。本人を叱るわけでもなく、孫のために、お金を工面するおばあちゃん。その方法も良くないよ。でもそうするしかなかったのかな…。閉塞感がやりきれない。

詩を習い始めたおばあちゃんの作ったラストの詩、それが少女の詩と重なることで、示されなかった悲しい結末は想像できた。育てた親たちにも責任はあるけれど、責任取るべきなのは、おばあちゃんよりも、まず孫です。

アルツハイマーになりかけでも、あっちはボケないんだ、老人の性。いくつになっても恋していれば年取らないっていうけれど、あんな爺さんにはなりたくない…

詩がすっと頭に入ってこなかった私には、肝心なことがわかってないんじゃないかと心配になる、もやもや系の作品でした。「オアシス」の監督(イ・チャンドン)の作品か、なるほど。