風ノ助

マンディンゴの風ノ助のレビュー・感想・評価

マンディンゴ(1975年製作の映画)
4.0
南北戦争の20年前、白人の牧場主は黒人を交配させ売買していた
中でも『マンディンゴ』種は美しく強い肉体を持つ最高品種
牧場主が種馬のように扱っているのは息子の嫁に対しても同じで女性蔑視も描かれている

息子は新妻を処女じゃないからと激しく非難する
これは当時のキリスト教徒なら当たり前のことで彼が特に狭量というわけではなさそう
その代わりに美しい奴隷の女性をかわいがり妻は嫉妬に燃える、これが不幸の始まり
最後は怖すぎました

作風が意外と淡々としていて穏やかなブルースをバックに動物がいる牧場の様子を牧歌的に映し出している
行われていることはホラー映画なんか目じゃないくらい恐ろしいことなのに

当時は白人は黒人を同じ人間と思ってないことが当たり前のことなので社会自体が悪なだけでこの映画に悪人は登場しません
白人から見たらただの悲劇の物語でしかありません
こういう間違いだらけの凄惨な過去があったからアメリカにとって人種差別問題は根深く未だに簡単には解決しないということがわかってきます
日本人には理解しづらいけと知識として知っておくべきだと思いました
風ノ助

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