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伊賀野カバ丸のやむちゃのレビュー・感想・評価

伊賀野カバ丸(1983年製作の映画)
3.8
備忘録
高校1年生の時に鑑賞。
同時上映はカンニングモンキー天中拳。

かなり好きな作品。
舞台挨拶も見に行った。
当時JAC(ジャパンアクションクラブ)が大人気だった頃で、劇場は若い女性でいっぱいだった。

主演は黒崎輝で初主演。
脇を真田広之や高木淳也(カンフーチェン)をはじめとしたJAC勢が固めていた。
ヒロインは武田久美子。今と違って清純派で初々しい感じだった。

少女漫画が原作で当時は未読だったが、映画鑑賞後に単行本を全巻購入して読んだ。

伊賀忍者の主人公カバ丸(本名は影丸)は、人里離れた山奥で「じっちゃん」(千葉真一)と暮らしていたが、じっちゃんの急死によって街に出て金玉(きんぎょく)学園に入学し、騒ぎを巻き起こす。という青春ドタバタアクションコメディ。

ストーリーはあってないような完全なファンムービーだが、鈴木則文の演出はテンポよく、笑いのつぼもちゃんと押さえている。

カバ丸が、ライバルの霧野疾風(高木淳也)とのアクションの近代五種競技で競うシーンや、途中の太秦映画村でのアクションシーンは、笑いを入れながらもハイレベルなものばかり。
真田広之も目白沈寝という、美形で知的で、普段は物静かだが、実は運動神経抜群で裏があるというキャラクターを怪演している。
映画村では、黒崎輝は影の軍団の服部半蔵(千葉真一のパロディ)、高木淳也はカンフーチェン(セルフパロディ)、真田広之は素浪人風の千鳥というキャラクターに変装して、ファンサービスもたっぷり。

黒崎輝の焼きそば(カバ丸の大好物)の食べっぷりが凄く、観るとこちらも食べたくなる。

主題歌の「青春まるかじり」は、黒崎輝が唄い、真田広之、高木淳也がバックコーラスという豪華な構成。ベストテンまでは行かなかったが、そこそこ売れて、テレビのザ・トップテンにも出て唄っていた。
レコードも買った。今も唄えるw
※この歌については、新聞の投稿欄で、交通事故で亡くなった男の子のお母さんが、男の子がノートに書いていた歌詞の一節を見つけ、「この歌知りませんか?」と投稿。それを見た読者が、歌詞全文を書いた手紙や、中にはレコードやカセットテープまで送ってきてくれたという感動的なエピソードもある。

鈴木監督を始めとする制作陣と黒崎輝など出演者達の息がピッタリあって、奇跡的に面白くなった良作だと思う。
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