1984年石井聰亙監督。若き日の小林よしのり原案、脚本で日本ATGから配給の作品。夢の中古一戸建てに引っ越した平凡な家族（小林克也、倍賞美津子、工藤夕貴、有薗芳記）、そこに祖父・植木等が転がり込んで家族関係が狂い始める。ATGの先行作「家族ゲーム」と異なり、こちらは家族5人が激しくぶつかり合い、その狂気が家の破壊につながる。いささかダレる時間帯もあるが、家を失った後の家族の清々しいホームレス暮らしは、当時の日本社会にとっての家の重さを意味していたのだろうか。その家を家族と置き換えれば、モチーフは現代にも通用しそうだ。
