Ryu

逆噴射家族のRyuのレビュー・感想・評価

逆噴射家族(1984年製作の映画)
4.0
狂った家族もの、という点で『家族ゲーム』が想起される。陰と陽みたいな存在であると感じた。

『家族ゲーム』が森田芳光のオフビート的感覚を前面に押し出したコメディだとするなら、こちらは痛快な、どちらかというと王道寄りのコメディ。どこまでもスラップスティックだし、漫画的ではあるのだけれど、所々のシーンの撮り方がおもしろい。長回しで撮られているシーンの数々は、通常私たちが考えるような冗長さと緊張感を併せ持つ長回しとは真逆の発想で勢いを切り取っている。手持ちカメラで役者の動きを追い続けるという手法で撮影されている長回しはとてもキレが良く、ドキュメンタリーっぽいとも感じた。

個人的に長男の狂いっぷりが最高。彼の演技の切れ味、キャラ造形は毎回観ていて笑ってしまう。
祖父の後半のいかれっぷりや、工藤夕貴の合法ロリポルノっぷりなど見所は尽きない。どこまでも突き抜けたこの馬鹿映画は、あらゆる現実のしがらみから抜け出したい人に強くお勧めする。
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