odyss

サラエボの花のodyssのレビュー・感想・評価

サラエボの花(2006年製作の映画)
3.3
【現代サラエボに生きる人々の群像劇】

ボスニア・ヘルツェゴヴィナ映画。ヤスミラ・ジュバニッチ監督作品。 

現代サラエボで生活する母子家庭(母と娘)を描いている。母はさしせまった娘の修学旅行のためにカネを作らねばならないが、友人や親戚はみなかつかつの暮らしで借金を頼むことができない。 

一方、父はユーゴ内戦で死んだと聞いていた娘は、それなら修学旅行の費用免除措置があると学校で教えられ、父が戦死したという証明書を取ってくれるよう母に頼むのだが・・・。 

母娘だけでなく困難な生活を送るサラエボの人々の表情が伝わってくる作品である。といっていたずらに悲惨さを強調するのではなく、笑いもあれば、中年同士の淡い恋もあるし、生徒のイジメだってある。 母娘に関しては筋書きは読めるが、サラエボの人々を描いた群像劇として見るべき映画であろう。
odyss

odyss