Kumonohate

極道の妻(おんな)たち 決着(けじめ)のKumonohateのレビュー・感想・評価

3.8
シリーズ最終作(ただし、東映制作版)。岩下志麻の様式美ここに極まれり。それでいて、犯人がなかなか分からないという謎解き要素や、チンピラ夫婦による笑いの要素といった、これまでに無かった新機軸をぶち込んでいるところが流石。多少の浮き沈みはあったにせよ、最後までマンネリや惰性に陥らなかった本シリーズの面目躍如である。

また、ストーリーに力強さこそ無いものの、金銭欲や性欲や家族愛や夫婦の絆といった人間の心がキチンと織り込まれているのが良い。さらに、クラシカルな岩下志麻、モダンなかたせ梨乃、繊細なとよた真帆、無表情の細川ふみえ、あばずれの藤田朋子、脱ぎの中野新葉と、極妻たちのキャラの描きワケがきちんとしている点も評価高。

一点、難を挙げるなら、様式美が堅牢で極妻たちが皆キャラ立ちしているだけに、主役の岩下志麻の印象がシリーズ他作に比べて弱いところか。
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